位牌とは|種類・選び方・宗派別の違いをお坊さんが解説
「位牌って、何種類もあって、どう選べばよいのかわからなくて」
——ご葬儀のあと、四十九日法要までに本位牌をご用意ください、と葬儀社さんに案内されてから、慌ててお問い合わせをくださるご家族が本当に多くいらっしゃいます。
位牌(いはい)は、ご逝去から四十九日を経て、その後何十年もご家族の仏壇の中央でご先祖さまをおまつりする、もっとも大切な仏具のひとつです。
けれど、位牌には「白木位牌」と「本位牌」の二段階があります。
種類は塗・唐木・モダン・繰出(くりだし)・過去帳と5タイプあり、しかも宗派によって扱いがまったく異なります。
——という事実は、葬儀社さんはお時間の都合でゆっくりご説明できないことがほとんどです。
なかでも、浄土真宗(本願寺派・大谷派)では位牌を用いませんという大切な事実は、ご門徒のご家庭でも意外と知られていません。
「魂を入れる儀式は、開眼供養と言うのか、入仏式と言うのか」「古くなった位牌は、勝手に処分してはいけないのか」——こうしたご質問にも、本記事で曹洞宗住職としてできるだけやさしくお答えしていきます。
位牌の種類・選び方・宗派別の違い・戒名の入れ方・開眼供養・古い位牌の処分まで、ご家族が実務で迷われやすい順にひと通り整理しました。
※ この記事は最後まで読まなくてかまいません。気になる章だけお読みください。
お坊さん監修
位牌とはなにか — 故人の依り代としての役割
50代の長女
位牌って、故人そのものなのですか?
お坊さん
いいえ、位牌は故人を偲ぶための「依り代(よりしろ)」です。
位牌(いはい)とは、亡き方の戒名・没年月日・俗名・行年を記し、仏壇の中央でおまつりする縦長の木製の札のことです。
ご家族が日々手を合わせる先となる「依り代(よりしろ)」として、ご逝去のあと四十九日を経て、その後何十年も大切に受け継がれていきます。
「位牌は故人そのものですか?」とお尋ねになるご家族が多いのですが、位牌は故人そのものではありません。
故人のお魂はすでに仏さまの世界へ旅立たれており、私たちが手を合わせる「橋渡し」となるのが位牌です。
位牌のもととなる「神主(しんしゅ)」は、もともと中国の儒教において、亡き方の官位と姓名を記して祀る木の札でした。
これが鎌倉時代に禅宗の僧侶を通じて日本へ伝わり、室町時代から武家の上層階級で用いられるようになり、江戸時代の檀家制度の確立とともに庶民にも広まりました。
ですから、位牌はもともと仏教の経典に出てくる仏具ではなく、日本仏教が長い時間をかけて受け入れてきた「日本独自の供養の形」であることを、まずおさえておいていただきたいのです。
そしてここがとても大切なのですが、宗派によっては「位牌そのものを用いない」という選択をしているお寺もございます(後ほど浄土真宗の章で詳しくお話しします)。
白木位牌と本位牌のちがい — 四十九日までの二段階
40代の喪主
葬儀のときに頂いた白木の位牌は、いつまで使うのでしょう?
お坊さん
四十九日法要までです。それ以降は本位牌に魂を移します。
位牌には「白木位牌(しらきいはい)」と「本位牌(ほんいはい)」の二段階があります。
白木位牌は、ご逝去のすぐあとに葬儀社からご用意いただく「仮の位牌」です。
白木の素地そのままに、墨書きで戒名・没年月日・俗名・行年を記したもので、ご葬儀の祭壇に飾られ、ご葬儀後はご自宅の中陰壇(後飾り祭壇)にお祀りします。
ただし白木位牌はあくまで「仮」のものですので、四十九日法要までの約49日間限定でお使いいただくのが本来の形です。
本位牌は、四十九日法要に合わせてご用意する「正式な位牌」です。
漆塗りや唐木の素材で職人さんが丁寧にお作りし、戒名・没年月日・俗名・行年を彫り入れたり書き入れたりして、その後何十年もご家庭の仏壇でおまつりします。
四十九日法要では、白木位牌の前に本位牌を並べて、僧侶が読経をいたします。
このときに白木位牌から本位牌へ魂をお移しする儀式を行います。
この儀式の呼び方は宗派によって異なり、曹洞宗では「入仏式」「御真入(ごしんいれ)」「お性根入れ」、浄土宗・天台宗・真言宗・日蓮宗などでは「開眼供養(かいげんくよう)」と呼びます。
魂が本位牌に移されたあとの白木位牌は、菩提寺でお焚き上げしていただきます。
ご自身でゴミとして処分されることはなさらないでください。お預けいただければ、四十九日法要のあとに僧侶がお引き取りします。
本位牌は葬儀直後から仏壇店へ発注します。漆塗りや彫り入れの工程に2〜3週間かかりますので、四十九日法要に間に合わせるには、なるべく早めのご注文が安心です。
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位牌の種類とデザイン — 5タイプの早見表
40代の子世代
モダン位牌でも、ご先祖さまに失礼ではないでしょうか?
お坊さん
宗派が認めれば形や色に決まりはございません。
本位牌には大きく分けて5つのタイプがあります。
仏壇のサイズや、お部屋の雰囲気、ご家庭のお考えに合わせてお選びいただけます。
ひとつめは塗位牌(ぬりいはい)です。
合板の素地に合成漆またはウレタン塗装を施した、もっとも一般的なタイプで、価格は1万1900円から1万5000円ほどが目安です。
「これからずっと使う本位牌」として全国でもっとも多く選ばれており、初めての方はまずこのタイプからご検討いただくのが安心です。
ふたつめは唐木位牌(からきいはい)です。
黒檀(こくたん)・紫檀(したん)・白檀(びゃくだん)など天然木を素材としており、木目の美しさと重厚な格を持ちます。価格は1万5900円から8万円とやや幅があります。
「ご先祖代々の唐木仏壇に合わせたい」「漆塗りより、木そのものの色を生かしたい」というご家庭にお勧めします。
みっつめはモダン位牌です。
クリスタル・天然木の現代的なフラット型・洋風のデザインなど、現代仏壇に合うように作られた新しいタイプで、価格は2万4800円からと幅広く、上位機種は数十万円のものもございます。
マンションや洋室にお仏壇を置かれるご家庭、お部屋のインテリアと調和させたいご家庭に増えています。
「ご先祖さまに失礼では」とご心配される方もいらっしゃいますが、宗派が認めれば形や色に決まりはございません。
迷われたときは菩提寺のお考えをお聞きになってからご決定ください。
よっつめは繰出(くりだし)位牌(回出位牌)です。
箱型の本体の中に、10枚前後の薄い位牌札(先祖の戒名を記した札)を収納できる構造になっており、価格は2万円から8万円が目安です。
ご先祖さまの位牌が複数あって仏壇に収まりきらない、というご家庭でよくお選びいただきます。
通常は三十三回忌や五十回忌などの「弔い上げ」の節目に、これまでの個別の位牌を繰出位牌の中に整理してお移ししていきます。
いつつめは過去帳です。
横長の和綴じの帳面で、表紙は唐木や西陣織などで仕立てられ、価格は3000円から3万円とお求めやすい価格帯になります。
過去帳は本来、ご先祖さまの戒名・没年月日・俗名・行年を記録する「ご家庭の供養の記録帳」ですが、浄土真宗(本願寺派・大谷派)では、位牌の代わりに過去帳または法名軸でお迎えするのが標準的な作法です。
位牌の代表的な形状
塗位牌・唐木位牌・モダン位牌には、それぞれ代表的な4つの形状があります。
形状は地域差と仏壇のサイズに合わせて選びます。
ひとつめの春日型(かすががた)はもっともシンプルで一般的、上部に三角の屋根の形を持ちます。
ふたつめの葵角切型(あおいすみきりがた)は上部に葵の葉のような切り込みを持つ、徳川家ゆかりの伝統的な形状で、関東のご家庭でよく用いられます。
みっつめの千倉型(ちくらがた)は曲線の優美な装飾彫りが特徴で、関東以北で多く見られます。
よっつめの京型(きょうがた)は細身で背の高い、荘厳な装飾を持つ形状で、関西のご家庭で好まれます。
形状は仏壇のサイズに合わせるのが基本で、お仏壇の内寸に対して位牌の高さは3〜5cm程度低くなるのが見た目のバランスの目安です。
仏壇店の方に「うちの仏壇に合うのは何寸の位牌ですか」とお尋ねいただくのが確実です。
浄土真宗に位牌がない理由 — 「往生即成仏」という教え
浄土真宗の門徒
うちは真宗本願寺派ですが、位牌を作るべきでしょうか?
お坊さん
真宗では位牌を用いません。法名軸または過去帳でお迎えします。
ここからお話しすることは、本記事のもっとも大切な章のひとつです。
浄土真宗(本願寺派・大谷派)では、位牌を用いません。
これは「面倒だから」「省略しているから」ではなく、浄土真宗の根本の教えにもとづいた、明確な作法です。
浄土真宗の中心となる教えは「往生即成仏(おうじょうそくじょうぶつ)」または「即得往生(そくとくおうじょう)」と申します。
これは、亡き方は阿弥陀さまの本願力によって、ご臨終のそのときにすでにお浄土に往生し、仏さまになっておられるという受けとめです。
ですから、亡き方のお魂が位牌に宿る、依り代としての位牌に魂をお招きする、という考え方が浄土真宗にはなじまないのです。
浄土真宗本願寺派の公式FAQ「浄土真宗本願寺派のお仏壇では、お位牌をお飾りしません」では、要旨として次のように説明されています。
位牌は儒教にもとづく中国の風習が禅宗を通じて日本へ伝わったもので、本来、浄土真宗では用いません。亡き方のことは、過去帳に法名・俗名・没年月日などを記して仏壇におまつりするか、法名軸として表装してお掛けする、という形で受け継がれています。
つまり浄土真宗のご家庭では、位牌の代わりに「法名軸(ほうみょうじく)」または「過去帳」でお迎えします。
法名軸は、亡き方ひとりひとりに対して一軸ずつ、法名「釋○○」を縦書きに記した掛け軸を、仏壇の左右の柱にお掛けします。
過去帳は、横長の和綴じの帳面に、ご家族・ご先祖さまの法名・俗名・没年月日・行年を順に記録し、仏壇内の脇壇または下段の経机にお置きします。
「開眼供養」とは言わず「入仏法要」「入仏式」
そしてもう一つ、ご門徒のご家庭でしばしば誤解されているのが儀式の呼び方です。
浄土真宗では、「開眼供養」「魂入れ」「お性根入れ」とは申しません。
なぜなら、亡き方のお魂はすでに阿弥陀さまの本願力で仏さまになっておられるので、改めて魂を入れる必要がないからです。
その代わりに、新しい仏壇やご本尊・法名軸をお迎えしたときは「入仏法要(にゅうぶつほうよう)」または「入仏式(にゅうぶつしき)」と申します。
これは「仏さま(阿弥陀さま)をお迎えする儀式」という意味で、位牌に魂を入れる儀式ではなく、阿弥陀さまをご家庭にお招きする儀式という性格を持ちます。
ご門徒の方が葬儀社や仏壇店で「位牌の開眼供養をお願いします」と仰っても、浄土真宗のお寺ではお引き受けできません。
逆に「入仏法要をお願いします」「ご本尊の入仏式をお願いします」とお伝えいただければ、菩提寺で適切にお勤めしてくださいます。
真宗大谷派でも作法は同じ
なお、真宗大谷派(東本願寺)も浄土真宗本願寺派と同じく、位牌を用いず法名軸・過去帳でお迎えする作法は基本的に同じです。
本山の所属や法要の細部の作法に違いはありますが、「往生即成仏」の教義と「位牌を用いない」という根本作法は両派とも共通です。
ただし、儀式の呼び方には細部の差があります。本願寺派では一般に「入仏法要」「入仏式」と申しますが、真宗大谷派では新しいご本尊・仏壇をお迎えする儀式を「御移徙(ごいし、おわたまし)」と呼ぶ場合があると伝えられています。意味する内容は同じく「仏さまをお迎えする儀式」ですが、呼称はお寺や地域によって異なりますので、必ずお手次寺(菩提寺)にご確認ください。
ですから、浄土真宗のご家庭で「位牌を作るべきか」と迷われましたら、まず菩提寺にご相談ください。
葬儀社さんや仏壇店さんから「位牌が必要です」と案内されることがありますが、それは多くの宗派をまとめて案内されているためで、浄土真宗の方には当てはまりません。
曹洞宗の入仏式・御真入れ — 正式な呼称と魂の移し
曹洞宗の檀家
開眼供養と入仏式は同じことなのですか?
お坊さん
曹洞宗では入仏式・御真入とも申します。同じ儀式を指します。
曹洞宗の檀家の皆さまから、位牌の魂入れの儀式について「呼び方が複数あって、どれが正しいのですか」とよくお尋ねをいただきます。
これは曹洞宗の長い伝統の中で3つの呼び方がそれぞれ意味を持って受け継がれてきたためで、どれも同じ儀式を指しています。
入仏式(にゅうぶつしき)
ひとつめは「入仏式(にゅうぶつしき)」です。
曹洞宗の寺院案内や法要のご案内文書で広く用いられる文章として整った呼称で、「仏さまをお迎えする儀式」という意味を持ちます。
法要のご案内文書、布施袋の表書き(「御入仏料」と書く場合もあります)など、文章として残る場面で用いられることが多い呼び方です。
御真入(ごしんいれ)
ふたつめは「御真入(ごしんいれ)」です。
「真(しん)」は仏さまの真実そのもの、本体(本仏)を意味する古い言葉で、その「真」を位牌の中にお招きする、という意味を持ちます。
曹洞宗の長い伝統の中で受け継がれてきたもっとも格式ある呼称で、お寺の住職が法要の場で口にされることが多い言葉です。
お性根入れ(おしょうねいれ)
みっつめは「お性根入れ(おしょうねいれ)」です。
「性根(しょうね)」は魂・心の本体を意味する日本古来の言葉で、それを位牌に入れる、という意味を持ちます。
檀家の皆さま、ご家族の中での会話、葬儀社の方とのやり取りでもっともよく耳にされる口語的な呼称です。
3呼称の使い分けと本質
ここで大切なのは、3つの呼び方はどれも同じ儀式を指しているということです。
「入仏式」と書いてあっても「御真入」と仰っても「お性根入れ」とお願いされても、住職が行うお勤めは同じです。
法要のご案内文書では「入仏式」、口頭でのお話では「お性根入れ」「魂入れ」、お寺の住職が読経のときに口にされるのは「御真入」——という風に、場面と相手に合わせて自然に使い分けられていきます。
この儀式の本当の意味
曹洞宗の住職として、ぜひ一度お伝えしたいことがあります。
入仏式・御真入・お性根入れは、「位牌という物体に、魂という見えないものを物理的に注入する儀式」ではありません。
亡き方を仏さまとしてご家庭にお迎えし、ご家族と共に過ごしていただくための「私たちの側の覚悟と感謝を仏さまの前で表明する儀式」であると、私は受けとめています。
ですから、お布施の額や法要の規模で「魂が入る・入らない」が決まるのではありません。
ご家族が心を込めて、亡き方をご家庭にお迎えするその気持ちを、僧侶の読経とともに仏さまの前に届ける——それが入仏式の本質です。
他の宗派での呼び方
参考までに、他の主な宗派での魂を移す儀式の呼び方をまとめておきます。
このように、多くの宗派では「開眼供養(かいげんくよう)」が一般的な呼称で、宗派により「お性根入れ」「魂入れ」が併用されます。
曹洞宗・臨済宗などの禅宗では「入仏式」も用いられます。
浄土真宗だけは「開眼供養」を用いず「入仏法要・入仏式」のみです(前章でお話しした通りです)。
ご自分の宗派の呼び方が分からないときは、菩提寺にお電話で「うちの宗派では何と呼びますか」と一言お尋ねいただくのが確実です。
位牌の価格相場 — 1万円から8万円までの幅
喪主
安いと、供養の気持ちが伝わらないでしょうか?
お坊さん
価格と功徳は無関係です。日々の手合わせが本筋です。
本位牌の価格相場は、5つのタイプによって幅があります。
ここではご家族が予算を立てやすいよう、目安となる価格帯と、価格の幅が生まれる理由を整理しておきます。
塗位牌は1万1900円から1万5000円がもっとも一般的な価格帯です。
合成漆またはウレタン塗装の合板が素材で、量産化されているため価格が抑えられています。「初めての本位牌」「ご予算を抑えたい」というご家庭に適しています。
唐木位牌は1万5900円から8万円と幅があります。
黒檀・紫檀・白檀などの天然木で、産地と材質、職人の手間によって価格が変わります。「ご先祖代々の唐木仏壇に合わせたい」というご家庭で選ばれます。
モダン位牌は2万4800円からが下限で、上位機種は十数万円のものもございます。
天然木の現代的なフラット型、クリスタル、洋風デザインなど多様で、デザインと素材によって価格が大きく変わります。
繰出位牌は2万円から8万円です。
中に10枚前後の薄い位牌札を収納できる構造のため、塗位牌より少し高価です。先祖位牌が複数あるご家庭でお選びいただきます。
過去帳は3000円から3万円です。
表紙の素材(唐木・西陣織など)と帳面の厚みによって価格が変わります。浄土真宗のご家庭では位牌の代わりにご用意いただきます。
価格の幅が生まれる理由
同じ「塗位牌」でも、価格が下限と上限で違うのはなぜでしょうか。
ひとつめは素材の違いです。
合成漆と本漆(うるしの木の樹液から作る天然漆)では、価格が数倍違います。本漆は職人の手で何層も重ね塗りされ、長年使うほどに艶が深まります。
ふたつめは金箔・蒔絵(まきえ)などの装飾です。
金箔押しや蒔絵の装飾が加わると、職人の手間が増えるため価格が上がります。
みっつめは戒名の彫り入れ方です。
機械彫りより手彫り(職人による彫り入れ)のほうが、文字の風合いに温かみがあり、価格は上がります。
機械彫りでも品質は十分ですので、ご予算に合わせてお選びください。
仏壇公正取引協議会の会員マーク(店頭ステッカー)
仏壇・仏具業界には、消費者庁・公正取引委員会が認定した「仏壇公正取引協議会」という業界団体があります(2012年5月16日設立)。
この協議会に加盟する仏壇店は、「仏壇の表示に関する公正競争規約」に従って、品質表示や原産国表示、不当な二重価格表示の防止に取り組んでいます。
加盟店には「会員マーク(店頭ステッカー)」が掲示されており、これがあるお店でご購入いただければ、価格表示や品質説明についてのトラブルを避けやすくなります。
ご購入前に「公正取引協議会の会員マーク(店頭ステッカー)はありますか」と一言お尋ねいただくと、安心して仏壇店を選べます。
「価格と功徳は無関係です」
最後に、住職としてどうしてもお伝えしたいことがあります。
「もっと高い位牌のほうが、ご先祖さまに失礼にならないでしょうか」とご相談いただくことがありますが、位牌の価格と供養の功徳はまったく関係ありません。
ご家族が日々、仏壇の前で手を合わせてくださるその時間そのものが供養であって、位牌の値段ではありません。
ご予算の範囲で、ご家族が「これが良い」と思われた位牌をお選びいただければ、亡き方も必ずお喜びになります。
戒名の入れ方 — 文字配置と表記ルール
40代の長男
戒名の文字、間違えたら作り直しになるのでしょうか?
お坊さん
必ず菩提寺で表記をご確認のうえ仏壇店へご注文ください。
本位牌に戒名を入れる工程は、仏壇店への注文時に決まるとても大切な作業です。
ここで誤字や位号の誤りがあると、原則として作り直しになり、再度の閉眼供養と費用が発生します。
ですから、注文前には必ず菩提寺で戒名の正しい表記をご確認いただくことを強くお勧めします。
表面の文字配置
位牌の表面には、原則として次の内容を縦書きで入れます。
中央に戒名(院号・道号・位号を含む全体)、戒名の左右または下に没年月日。
戒名は宗派と授戒の格によって6文字から11文字程度になります。
たとえば曹洞宗の一般的な戒名「○○院○○大居士」「○○院○○清大姉」では、戒名本体(2文字)+院号(3文字)+道号(2文字)+位号(3〜4文字)の構成です。
没年月日は「令和○年○月○日」と西暦・元号のどちらでも構いませんが、菩提寺の流儀に合わせていただくのが安心です。
裏面の文字配置
位牌の裏面には、俗名(生前のお名前・フルネーム)と行年(ぎょうねん)(亡くなった時の年齢)を縦書きで入れます。
俗名は本来「○○家」「○○太郎」のフルネームで記しますが、菩提寺の指示に従ってください。
行年は満年齢ではなく数え年で記すご家庭が多く、これも菩提寺の流儀によります。
なお、地域差は「没年月日を入れる位置」に現れます。関東では戒名と並べて表面に没年月日を入れ、裏面に俗名と行年を入れるご家庭が多くあります。東海・西日本では裏面に没年月日と俗名を一緒に入れるご家庭が多くなります。
ただし、戒名そのものはどちらの地域でも基本的に表面に入れます。ご自分の地域・宗派の流儀は、菩提寺または葬儀社さんでお確かめください。
浄土真宗は「釋」の法名
ここでもう一度、浄土真宗の作法について念のためお伝えします。
浄土真宗(本願寺派・大谷派)では、亡き方には戒名ではなく「法名(ほうみょう)」がつきます。
法名は仏弟子としてのお名前で、頭に「釋(しゃく)」の一文字をつけて表します。
たとえば「釋浄信」「釋尼妙香」のように、釋+2文字(男性は釋○○、女性は釋尼○○)の形が伝統的な標準です。
ただし、現代では性別を問わず「釋」のみで法名を授ける寺院も増えてきました。「釋尼」の使い分けは菩提寺の方針によりますので、ご相談ください。
そして繰り返しになりますが、浄土真宗では位牌に法名を入れることはなさいません。法名軸または過去帳に書き入れます。
お子さまの位号
お子さまが亡くなられた場合は、戒名・法名に特別な位号がつきます。
満1歳未満で亡くなられた場合は「嬰子(えいじ)」「嬰女(えいにょ)」、満1歳から5歳までは「孩児(がいに)」「孩女(がいにょ)」、満5歳から14歳までは「童子(どうじ)」「童女(どうにょ)」などとなります。
これは大人の「居士」「大姉」とは異なる位号で、お子さまの清らかさを表すお名前です。
宗派と地域によって細部が変わりますので、菩提寺にお確かめください。
連名位牌(夫婦位牌)
ご夫婦のうち、先に亡くなられた方の位牌を作るとき、後にお連れ合いが亡くなられたあとで「連名位牌(夫婦位牌)」を作るご家庭もあります。
この場合、お一人の位牌に向かって右側に先に亡くなられた方、左側に後に亡くなられた方の戒名を入れる、というのが一般的な配置です。
ただし、夫婦位牌は宗派・地域・菩提寺の流儀によって扱いが分かれますので、ご検討の際は必ず菩提寺にご相談ください。
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開眼供養と入仏式 — 魂を入れる儀式の本当の意味
子世代
開眼供養のお布施はおいくらでしょう?
お坊さん
1万から3万円が目安です。詳しくはお布施の記事をご覧ください。
本位牌をご家庭にお迎えするときは、魂を入れる儀式を行います。
この儀式は、宗派によって呼び方が異なります。
開眼供養(多くの宗派)
曹洞宗・臨済宗・浄土宗・天台宗・真言宗・日蓮宗などの多くの宗派では、本位牌に魂を入れる儀式を「開眼供養」と呼びます。
「開眼(かいげん)」は、仏像や位牌の目を開く、すなわち命・魂をお招きする、という意味を持ちます。
仏壇店で本位牌が出来上がったら、お寺の住職に依頼し、菩提寺または自宅の仏壇前で読経していただきます。
曹洞宗では、これを「入仏式」「御真入」「お性根入れ」とも呼ぶことは、前章で詳しくお話ししました。
入仏式(浄土真宗)
浄土真宗(本願寺派・大谷派)では、「開眼供養」とは申しません。
代わりに「入仏法要(にゅうぶつほうよう)」または「入仏式(にゅうぶつしき)」を行います。
これは「位牌に魂を入れる」儀式ではなく、新しい仏壇に阿弥陀さまをお迎えする儀式です(浄土真宗では位牌を用いないため)。
四十九日法要と同日に行うのが一般的
開眼供養も入仏式も、四十九日法要と同じ日に同じ場所で続けて行うのがもっとも一般的です。
四十九日法要の前半で本位牌の開眼供養(入仏式)を行い、後半で四十九日忌の読経・焼香へと進む、という流れです。
地域とお寺の流儀によっては、開眼供養を独立した法要として別の日に行う場合もありますが、ご家族の負担を考えれば四十九日法要と同日が安心です。
お布施の目安
開眼供養のお布施は、1万円から3万円が一般的な目安です。
四十九日法要のお布施(3万円から5万円程度)とは別にご用意いただきます。
ただし地域により、四十九日法要のお布施に開眼供養分を合算して5万円から10万円程度を包むご家庭もあります。
お布施の額は宗派・地域・菩提寺との関係性により大きく変わりますので、迷われたときは菩提寺に「他のご家庭はどのくらいお包みされていますか」とお尋ねください。
率直にお話しくださるお寺が多いはずです。
お布施の詳しい相場と渡し方については、別記事に詳しくまとめています。
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位牌は故人そのものではない — 処分を恐れる遺族へ
50代の長女
古い位牌を処分するのが怖くて、手が出ません。
お坊さん
その怖さは、ご家族にとって大切な感情です。順にお話しします。
この章は、住職としてどうしても一言お伝えしたい内容です。
ご相談に来てくださるご家族の中には、「古い位牌を処分するのが怖い」「捨てたら親不孝になるのでは」「位牌を粗末にしたら祟られるのでは」と、何年も家の片隅で位牌に向き合えずにいらっしゃる方が、本当にたくさんいらっしゃいます。
そのお気持ちは、決しておかしなものではありません。
ご家族が大切にされてきたご先祖さまへの「敬う心」と「申し訳ない気持ち」がそのまま現れた、とても自然で美しい感情です。
位牌は故人そのものではない
ここでもう一度、本記事の最初にお話しした大切なことを、繰り返しお伝えします。
位牌は故人そのものではありません。
位牌は「依り代(よりしろ)」であって、ご家族が手を合わせる先となる橋渡しです。
故人のお魂は、ご逝去のときにすでに仏さまの世界へ旅立たれており、私たちが位牌を通じて手を合わせると、その思いが届く——という構造です。
ですから、ご家族の代替わりや、仏壇の整理、引っ越しなどで位牌をお手放しになるとき、それは「故人を捨てる」ことでも「親不孝」になることでもありません。
依り代としての役目を終えた位牌を、仏教の作法に従ってきちんと送り出して差し上げる——それは、むしろご先祖さまへの最後の親孝行です。
仏教の縁起と無常から見た位牌
仏教には「縁起(えんぎ)」と「無常(むじょう)」という大切な教えがあります。
縁起とは、すべての物事は互いの関係性の中で成り立っており、独立して存在するものは何もない、という教えです。
無常とは、すべての物事は移ろいゆき、常に同じ姿でとどまっているものはない、という教えです。
位牌もまた、ご家族が手を合わせる時間の中で「依り代」としての役目を果たし、いつかは役目を終えていくものです。
何百年も同じ位牌を残し続ける、という考え方は、実は仏教の教えとは少し違います。
伝統的に多くの宗派では三十三回忌または五十回忌で「弔い上げ(とむらいあげ)」とし、それまでの個別の位牌は繰出位牌や過去帳に統合していきます。
これは「ご先祖さまを忘れる」ことではなく、「個別の位牌から、ご先祖さま全体への祈りへと、形を変えてお迎えする」ということです。
心の整理が先で位牌は後
「位牌をどうするか」とご相談に来られたご家族にお伝えしている言葉があります。
「位牌を片付けるのは、ご家族の心の整理がついてからで、まったく構いません」と。
世の中には「四十九日が済んだら本位牌に替えて、三十三回忌で繰出位牌に統合しなさい」という形式的なご案内も多くあります。
けれども、ご家族の心がついていかないまま、形だけ済ませても、それは本当の供養にはなりません。
「もう少し、この位牌のまま手を合わせたい」というお気持ちがあれば、無理に整理されなくて結構です。
ご家族の心が落ち着き、「そろそろ次の段階に進もう」と思われたときに、菩提寺にご相談ください。
その時は、私ども住職が責任を持って、丁寧に閉眼供養とお焚き上げをお勤めします。
怖さを抱えたまま、お寺においでください
最後に、もう一度お伝えします。
古い位牌をどうすればよいか分からない、捨てるのが怖い、けれど仏壇に入りきらない——というお悩みを抱えていらっしゃる方は、その怖さを抱えたまま、ぜひ菩提寺においでください。
電話一本でも構いません。「位牌のことで相談したい」とお伝えいただければ、お寺はお話を聴く時間を必ずお作りします。
ひとりで抱え込まず、お寺と一緒に解決していけば、必ず道は開けます。
古い位牌の扱いと処分 — 閉眼供養とお焚き上げの作法
喪主
引っ越しで仏壇を畳むのですが、位牌はどうすれば?
お坊さん
閉眼供養とお焚き上げの2段階で、丁寧に送り出します。
ここからは、古い位牌の処分について具体的な手順をお話しします。
前章でお話しした通り、位牌は故人そのものではありませんが、依り代として大切にお迎えしてきたものですので、仏教の作法に従って丁寧に送り出して差し上げることが大事です。
処分の5ステップフロー
古い位牌の処分は、次の5つのステップで進みます。
ステップ1は菩提寺へのご相談です。電話一本で「古い位牌の処分について相談したい」とお伝えください。
ステップ2は閉眼供養(へいげんくよう)です。「魂抜き」「お性根抜き」とも呼ばれ、住職が古い位牌の前で読経し、依り代としての役目を解いて差し上げる儀式です。
曹洞宗では「閉眼諷経(へいげんふぎん)」と申し上げることもあります。お布施は1万円から3万円が目安です。
ステップ3は、閉眼供養を経て位牌が「ただの木」に戻った状態となります。この段階では、もはや依り代としての性質は解かれています。
ステップ4はお焚き上げです。閉眼供養が済んだ位牌を、お寺の境内または仏壇店、お焚き上げ専門業者で、丁寧にお焼きします。
ステップ5は、必要に応じて繰出位牌または過去帳への統合です。三十三回忌または五十回忌の「弔い上げ」のタイミングで、これまでの個別位牌を繰出位牌に整理してお移しするご家庭が多くあります。
3つのお焚き上げ窓口の比較
お焚き上げの窓口には、大きく分けて3つがあります。
それぞれの相場・所要日数・向くご家庭を整理しておきます。
ひとつめは菩提寺です。
費用は1万円程度、所要約1ヶ月。閉眼供養もお焚き上げも一括でお任せできるため、菩提寺がおありのご家庭にもっともお勧めです。
ふたつめは仏壇店です。
費用は5000円から1万5000円、所要2〜4週間。仏壇も合わせて処分されたいご家庭に向きます。仏壇店から提携寺院に閉眼供養を依頼する形式が一般的です。
みっつめは郵送業者・お焚き上げ専門業者です。
費用は3000円から1万5000円、所要2〜4週間。ご遠方で菩提寺や仏壇店への持ち込みが難しいご家庭に向きます。
ただし、郵送業者の場合は「閉眼供養が済んでいる位牌のみ受け付け」のお店が多くあります。最初の閉眼供養は必ず僧侶に直接依頼してください。
「ご自身で処分」は絶対に避ける
ここでとても大切な注意点をお伝えします。
古い位牌をご家庭のゴミ・燃えるゴミとして処分されることは、絶対に避けてください。
依り代としての役目を解かないまま、物体としてだけ廃棄してしまうことは、ご家族のお気持ちにとっても、亡き方への礼にとっても、避けたい行為です。
「もう手放したい」「もう置いておけない」と思われたときは、必ず菩提寺・仏壇店・お焚き上げ業者のいずれかにご相談ください。
電話一本でお引き取りの段取りを整えていただけます。
弔い上げと繰出位牌への統合
伝統的な仏教の供養では、亡き方の三十三回忌(亡くなって満32年)または五十回忌(満49年)を「弔い上げ」と呼びます。
これは「もう個別の追善供養はせず、ご先祖さま全体としてお祀りする段階に入る」という節目です。
弔い上げのタイミングで、これまでの個別位牌を菩提寺で閉眼供養していただき、ご先祖さま全体をお祀りする繰出位牌または過去帳に統合していきます。
仏壇のスペースが限られているご家庭、ご先祖さまの位牌がだんだん増えてきたご家庭は、菩提寺にご相談のうえ、計画的に整理を進めていかれるのが安心です。
位牌を発注する前に菩提寺へ相談 — 電話の切り出し方
子世代
菩提寺に電話するのが、なんだか緊張します。
お坊さん
用件を3つ書き出して、ゆっくりお話しいただければ大丈夫です。
本記事のもっとも大切な実践のひとつが、位牌を発注する前の菩提寺へのご相談です。
葬儀社さんや仏壇店さんから「四十九日までに本位牌を」と言われて、慌てて仏壇店で発注してしまうと、戒名の表記違いや宗派別の作法の見落としで位牌を作り直しになることがあります。
これを避けるために、必ず一度、菩提寺にお電話を差し上げてください。
必ず確認したい3項目
菩提寺への電話で確認したいことは、次の3項目です。
ひとつめは戒名の正しい表記です。
葬儀の際に頂いた白木位牌には戒名が墨書きされていますが、本位牌に彫り入れる際は、漢字の細部・院号の有無・位号の正確な表記を改めて確認していただきます。
「うちのご縁の戒名の表記をご教示いただけますか」と一言お尋ねください。
ふたつめは宗派別の作法です。
宗派によっては、位牌の上部に梵字(種子字)を入れる作法があります(真言宗の「ア」字など)。
形状の好み(春日型・千倉型・京型など)にも宗派と地域の慣習がありますので、菩提寺の住職にお尋ねいただくのが確実です。
みっつめは寺院指定の仏壇店があるかどうかです。
菩提寺によっては、長年お付き合いのある仏壇店をご紹介くださることがあります。
寺院指定の仏壇店なら、その宗派・お寺の流儀に詳しく、戒名の表記もスムーズに進められます。
「うちのお寺でご縁のある仏壇店はございますか」とお尋ねいただくと安心です。
電話の切り出し例
「電話するのが緊張する」というご相談を本当によくいただきます。
ご参考までに、電話の切り出し例を一つご紹介します。
「お世話になっております。○○家の△△と申します。先日父が亡くなり、四十九日法要に向けて本位牌を仏壇店で注文しようと思います。ついては『戒名の表記』と『当宗派でのお作法』を一度ご教示いただきたく、お電話いたしました。お時間のあるときにお伺いしてもよろしいでしょうか」
このように3〜4文で用件を簡潔にお伝えいただければ、住職は喜んで対応してくださいます。
「忙しいときに恐縮ですが」「お時間のあるときに」と一言添えていただくと、より丁寧です。
菩提寺がない場合
「うちは菩提寺がないのですが、どうすれば良いでしょうか」とご質問をいただくこともあります。
その場合は、葬儀社の紹介僧侶または仏壇店経由のご紹介で、宗派に合った僧侶に相談されるのが現実的です。
ご家族で宗派をご確認のうえ(仏壇の中のご本尊や、ご親族にお聞きするとわかります)、その宗派の僧侶にお願いします。
最近は、宗派別の僧侶手配サービス(よりそうお葬式、お坊さん便など)もありますが、サービスの内容と料金体系はそれぞれ大きく異なりますので、複数を比較されてからお決めください。
住職からの一言 — 位牌は供養の入口であって到達点ではない
お坊さん
位牌の前で手を合わせる時間そのものが、ご供養です。
最後に、住職として一言お話しさせてください。
数百件の四十九日法要、開眼供養、閉眼供養の場で、ご家族の表情を見てきて、いつも思うことがあります。
位牌は、供養の入口であって到達点ではない、ということです。
四十九日法要で本位牌に魂をお迎えしたあと、一周忌、三回忌、七回忌、十三回忌、十七回忌、二十三回忌、二十七回忌、三十三回忌——と、ご家族は数十年にわたって、位牌の前で手を合わせていかれます。
その毎日の手合わせの時間そのものが、ご供養です。
立派な仏壇でなくとも、高価な位牌でなくとも、ご家族がふと立ち止まって「お父さん」「お母さん」と心の中でお声がけする、その短い時間。それこそが、亡き方が一番お喜びになるご供養です。
そして、もう一つお伝えしたいのは、位牌は「過去」を閉じ込めるものではなく「現在」と「未来」をつなぐものだということです。
ご先祖さまがいらっしゃるからご自分がいらっしゃる、ご自分がいらっしゃるからお子さま・お孫さまがいらっしゃる——そのつながりの一点に位牌があります。
位牌の前で手を合わせる時間は、過去のご恩への感謝であると同時に、これからを生きるご家族の心の支えとなります。
どうかご家族の中で、位牌が「重荷」ではなく「心の拠り所」となりますように。
そう願いながら、本記事を結ばせていただきます。
よくある質問
よくあるご質問
Q 位牌はいつまでに用意すればよいですか?
四十九日法要までに本位牌をご用意ください。 葬儀直後から仏壇店で発注し、戒名は菩提寺に表記をご確認のうえ注文するのが安全です。 漆塗りや彫り入れの工程に2〜3週間かかりますので、なるべく早めのご注文が安心です。
Q 浄土真宗ですが位牌は必要ですか?
浄土真宗(本願寺派・大谷派)では位牌を用いません。 「往生即成仏」の教えから、亡き方はすでにお浄土で仏さまになっておられると受けとめ、法名軸または過去帳でお迎えします。 儀式の名前も「開眼供養」とは申さず、「入仏法要」「入仏式」と呼びます。
Q 白木位牌は処分してよいですか?
四十九日法要で本位牌に魂を移したあと、白木位牌は菩提寺でお焚き上げいたします。 ご自身で処分されないでください。 四十九日法要の際に僧侶がお引き取りすることが多いですが、不明な場合は菩提寺にご確認ください。
Q 位牌の価格はどのくらいですか?
塗位牌で1万1900円〜1万5000円、唐木位牌1万5900円〜8万円、モダン位牌2万4800円〜、繰出位牌2万円〜8万円、過去帳3000円〜3万円が目安です。 素材・装飾・職人の手間によって価格に幅があります。
Q モダン位牌は失礼にあたりませんか?
宗派が認めれば、形状や色に決まりはございません。 仏壇のサイズとの調和を優先してお選びください。 「ご先祖さまに失礼では」とご心配される場合は、菩提寺にご相談のうえご決定いただくのが安心です。
Q 位牌を作り直したいのですが、どうすればよいですか?
戒名の誤記や引っ越し時の改修などで作り直す際は、必ず菩提寺で閉眼供養(魂抜き)をしていただいたうえで、旧位牌をお焚き上げします。 その後、新しい位牌の発注と開眼供養を改めて行います。
Q 開眼供養のお布施はいくらですか?
1万円〜3万円が一般的な目安です。 四十九日法要のお布施(3万〜5万円)とは別にご用意いただきます。 地域によっては四十九日法要と合算して5万〜10万円程度を包むご家庭もあります。 詳しくはお布施記事をご覧ください。
Q 古い位牌が複数あって仏壇に入りきりません。 どうすれば?
三十三回忌または五十回忌を区切りに、これまでの個別位牌を繰出位牌または過去帳にまとめるのが伝統的な作法です。 菩提寺で閉眼供養のうえ、繰出位牌に法名札を移し替えます。 仏壇のスペースに合わせて計画的に進めてください。
Q 位牌を郵送業者に依頼してもよいですか?
閉眼供養が済んでいる位牌であれば、郵送業者でのお焚き上げ(3000円〜1万5000円)に対応可能です。 ただし、最初の閉眼供養は必ず僧侶に直接依頼してください。 郵送業者では閉眼供養を行えないお店が多くあります。
Q 戒名は自分で考えてもよいですか?
戒名は仏弟子としての名前で、本来は授戒の儀式とともに師僧から授かるものです。 ご自身で考えられる方もいらっしゃいますが、菩提寺との関係を保つためにも、必ず菩提寺にご相談のうえ授戒いただくことをお勧めします。
Q 菩提寺がない場合は誰に相談すればよいですか?
葬儀社の紹介僧侶か、仏壇店経由のご紹介を受けられるのが現実的です。 宗派をご家族でご確認のうえ(仏壇内のご本尊や親族にお聞きすると分かります)、その宗派の僧侶にお願いします。 最近は宗派別の僧侶手配サービスもあります。
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参考資料
- 浄土真宗本願寺派 公式FAQ「お仏壇とお位牌」
- 真宗大谷派(東本願寺)公式サイト
- 曹洞宗 宗務庁公式サイト
- 仏壇公正取引協議会(消費者庁認定2012年5月設立)
- お仏壇のはせがわ「位牌の書き方ガイド」
- おいはいまかー「位牌価格と種類の比較」
- お焚き上げ.com「お焚き上げ料金表」
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